公益財団法人古泉財団

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2026年度奨学生選考委員会

講評

 本日は、円滑な議事進行にご協力いただきまして、ありがとうございました。
 選考委員の皆様には、ご多忙の中、限られた期間で、奨学生の選考にご尽力いただきましたことにまず厚く御礼申し上げます。

 この奨学金は、「地域の発展のための人材育成」を目的としています。
 先ほども申し上げましたが、地域の発展のためには、定住人口を増やしていくことが極めて重要です。
 そのために、県内で就職を希望する学生、そして大学院への進学意欲があるような優秀な学生を積極的に採用する方針を掲げております。
 選考にあたっては、特定の大学に偏ることがないよう、多くの大学から幅広く奨学生を採用できるように注意を払いました。

 さて、今年度の推薦状況全体を振り返りますと、奨学金の趣旨が各大学において、着実に理解されてきていると感じています。
 選考結果おいて、採用者のうち、県内出身の学生が7割を超えており、この点においても地域への定着意識の高い学生を多く採用できたと思います。
 また、ジェンダーのバランスも確保できていますので、公平性と客観性を意識した選考結果になったと思います。

 次に継続中の奨学生と卒業された奨学生の皆さんの報告書を読ませていただきました。
 いずれも、それぞれ自分の目標に向かって努力している様子がうかがえました。
 特に多くの卒業生が奨学生採用時に掲げた将来目標を実現し、社会人としての第一歩を踏み出したことを、大変喜ばしく思っております。
 大学院へ進学し、修士課程で研鑽を積んでいる学生もおり、大変心強く思います。
 全体としても、過半数を超える卒業生が県内に留まっており、この点についても、本奨学金の成果を高く評価できるものと思います。

 一方で、新規採用を希望する学生の願書、推薦書を拝見しましたが、学生のレベルが高く、将来性を感じさせる学生が多数おりました。
 成績が良いことは当然ですが、志願理由もしっかり書かれている学生が多かったと思いますし、高校生活を振り返りながら、大学で何を学ぶべきかを見定め、自らの将来像と決意を丁寧に述べている学生が多く見受けられました。
 ぜひ今後の学生生活の中で、その目標を実現していただきたいと思います。

 高等教育がおかれている現状に目を向けますと、これからの急速な少子化の進行を背景に、大学教育の質や機能強化に関する議論が進んでいます。
 4月23日に開催された財政制度等審議会の分科会会合では、高等教育機関の規模適正化の議論がありました。
 18歳人口は、2040年には、現在より3割程度減少すると予測されており、大学の規模適正化について踏み込んだ議論が始まっています。
 一方、文部科学省は、5月21日の中央教育審議会の作業部会において、教育の質を学部ごとに4段階評価する大学評価制度案が示されました。
 これからの大学は、大学卒業という資格に対して、これまでより一層の質の保証が求められるものと思います。
 これまでの日本の教育では、教育を受ける機会の平等に重点を置き、大学進学の間口を広げることを重視してきた向きがあります。
 しかし、今後は、それぞれの大学が特徴や個性を生かしながら、質の高い教育や未来に資する教育を進めることが、より一層求められます。
 その中で、大学は学生に何を身につけさせて卒業させるかをより明確にして教育する必要があるでしょう。
 さらに昨今の急速なAIの進化は、経済のみならず、教育のあり方も変えていくのは間違いありません。
 このように我々は、時代の大きな転換点に立っていますが、だからこそ、高等教育の重要性が増しているともいえます。
 そしてその若い力により、人口減少社会の中で、地域と国の活力を維持し、さらには未来を切り開く知恵を期待したいと思います。

 最後になりましたが、本年度も優れた奨学生候補者をご推薦いただいた大学関係者の方々、そして奨学生に応募していただいた学生の皆さんに心から感謝申し上げます。
 採用された奨学生の皆さんには、この奨学金の趣旨である地域の発展について今一度眼を向けていただき、そのためにも県内での就職や進学を積極的に考えていただきたいと思います。
 各大学におかれましては、来年度も新潟で学び、将来地域で活躍したいという意欲ある学生をご推薦いただきますようお願いいたします。

 以上をもちまして、本年度の講評とさせていただきます。
 本日は誠にありがとうございました。

2026年6月2日
選考委員長  牛木 辰男

選考結果

大学名 2年生 3年生 4年生 合 計
新潟大学 1名 0名 0名 1名
長岡技術科学大学 2名 2名 2名 6名
上越教育大学 1名 1名 2名 4名
新潟県立大学 1名 1名 0名 2名
新潟県立看護大学 1名 0名 1名 2名
長岡造形大学 0名 1名 0名 1名
三条市立大学 1名 2名 0名 3名
新潟薬科大学 0名 0名 1名 1名
新潟産業大学 2名 2名 1名 5名
敬和学園大学 0名 0名 1名 1名
新潟国際情報大学 1名 0名 2名 3名
新潟経営大学 1名 1名 1名 3名
新潟工科大学 2名 3名 0名 5名
新潟青陵大学 2名 0名 0名 2名
新潟医療福祉大学 2名 4名 2名 8名
長岡大学 1名 2名 2名 5名
新潟リハビリテーション大学 1名 0名 0名 1名
新潟食料農業大学 1名 0名 1名 2名
長岡崇徳大学 0名 0名 0名 0名
開志専門職大学 0名 1名 0名 1名
合計 20名 20名 16名 56名
平均GPA 3.46 3.25 3.44 3.38

意見

【選考について】
 ・できれば全員を採用できればよいと思ったが、採用人数が20名である以上、順位を付けるのはやむを得ない。
 ・候補者の成績、志望動機などの記載ぶりも良く、なかなか差を付けるのが難しい学生ばかりだった。
 ・所得基準が緩和されたことで、家計の所得水準が高い優秀な学生も採用できるようになった。
 ・学生たちには今後も頑張ってもらい、将来社会に出たときに、この奨学金を受けて良かったと思ってもらいたい。
【候補者について】
 ・候補者の成績は全体的にかなり良くなっている印象を受けた。
 ・以前は成績にばらつきが見られたが、今回はGPA3.5程度の学生が多く、候補者のレベルが上がっていると感じた。
 ・各大学で学内選考がしっかり行われており、トップクラスの学生が推薦されていることの表れだと思う。
 ・1年生でありながら、これだけのGPAを得ていることから、とてもよく勉強していると思った。
【大学教育について】
 ・願書を読むと、各大学が用意している様々なプログラムを活用している様子がうかがえた。
 ・大学側は大変だと思うが、学生にとって良い経験ができる教育内容が用意されていると感じた。
 ・相変わらず大変な家庭環境にある学生が多いことを実感した。
 ・ひとり親世帯であったり、父親が病気であったりする話を聞くと世の中のセーフティネットの粗さを感じる。
【総括】
 ・推薦状況全体を振り返ると、奨学金の趣旨が各大学において、着実に理解されてきていると思う。
 ・候補者の願書、推薦書を読むと、学生のレベルが高く、将来性を感じさせる学生が多数いた。
 ・成績も良く、志願理由もしっかり書かれている学生が多かった。
 ・高校生活を振り返りながら、大学で何を学ぶべきかを見定め、自らの将来像と決意を丁寧に述べている学生が多く見受けられた。
 ・ぜひ今後の学生生活の中で、自分の目標を実現していただきたい。
 ・この奨学金の趣旨である地域の発展について今一度眼を向けていただき、県内での就職や進学を積極的に考えていただきたい。

謝辞

 本日は、ご多忙のところ、第11回選考委員会にご出席いただき、誠にありがとうございました。
 はじめに、昨年11月の理事会におきまして、選考委員の改選が行われました。
 財団設立以来、10年にわたり選考委員長をお務めいただきました長谷川彰先生、また、選考委員をお務めいただきました矢鍋重夫先生には、これまでの多大なるご尽力に、改めて深く感謝申し上げます。
 また、このたび選考委員長をお引き受けいただきました牛木辰男先生、選考委員にご就任いただきました佐藤一則先生には、ご多忙の中、ご快諾を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。
 今後ともご指導、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 さて、古泉財団は、2016年1月に社会有用な人材の育成を理念として設立され、奨学事業を開始いたしました。
 以来、地域社会の発展に資する人材育成を目的として事業を継続し、これまでに10回の選考を通じ、延べ208名の奨学生を採用してまいりました。
 本日は11回目の選考委員会となりましたが、各大学から将来有望な学生をご推薦いただきました。

 古泉財団の奨学事業は、学生一人ひとりの未来への支援であると同時に、地域社会の未来への投資でもあると考えております。
 本日採用された学生の皆さんが、将来それぞれの分野で活躍され、地域社会の発展に貢献される人材へと成長されることを心より期待しております。

 また、早いもので、古泉財団の奨学事業も本年度で11年目を迎えました。
 これまで事業を継続してこられましたのも、選考委員の皆さまのご理解とご尽力のおかげであり、改めて深く感謝申し上げます。

 最後になりますが、牛木委員長をはじめ、選考委員の皆さまには、今後とも、変わらぬご指導、ご助言を賜りますようお願い申し上げます。
 本日は誠にありがとうございました。

2026年6月2日
代表理事  古泉 肇